──ATMでお金の下ろし方がわからなかった父の話
──それは「知らない」んじゃなくて、「やったことがなかった」だけだった。
ある日、父に通帳とキャッシュカードを手渡したとき、
返ってきたのは思いもよらない言葉だった。
「で、これ…どうやって使うんや?」
えっ──!?
キャッシュカードって……持ってるだけじゃなかったんだ…?笑
■ 父にとってのお金の下ろし方は「窓口」だった
昔の銀行といえば、
出金伝票に記入し、印鑑を押し、窓口に提出して…という流れ。
父にとって“お金を下ろす”とは、まさにそのイメージだった。
キャッシュカードは持っていたけれど、
それをATMに入れて操作した経験はなかったのだ。
■ タッチパネルの前で固まる父
ATMの前に立った父は、困惑していた。
どこを押せばいいかもわからない。
「引き出し」という言葉もパッと入ってこない。
「なんか間違えたら、全部吸い込まれそうやな…」と、真顔でつぶやく。
そして次は、暗証番号。
…覚えていない。笑
隣で私が小声で教える。
すると今度は金額入力で、10万円を「1」と「0」を5回押して「万」…!
→ 「おいおい!」と、慌てて止める私(笑)
■ 父は「知らない」のではなく、「やったことがなかった」
この日、父がはじめてATMを操作してわかったこと。
それは──
見ているのと、やるのとは、まったく違うということ。
カードは“持っている”
お金の出し方は“見たことがある”
でも、自分で操作するのは初めてだった。
「知らない」のではなく、
「経験がなかった」だけだったんだと思う。
■ ATMという空間は、意外と“やさしくない”
年配の人にとって、ATMはこう見えるかもしれない。
- 「失敗できない雰囲気」
- 「後ろに人が並んでるから焦る」
- 「ボタンがたくさんあって、間違えるのが怖い」
- 「確認もなく、お金が動いてしまいそうで不安」
そう、ATMは案外“人に聞けない空間”なんだ。
■ まとめ:「やってみないと、やれるようにはならない」
この日をきっかけに、父は少しずつATMに慣れていった。
まだ完全に一人で操作できるわけじゃないけれど、
「やってみた」ことで、“怖さ”はひとつ減った。
キャッシュカードを持っている人でも、
「実はやったことがない」って人、意外といるかもしれない。もしご家族にそういう方がいたら、
「知ってる?」じゃなくて、「一緒にやってみようか?」って声をかけてあげてください。
実は父にまつわる“もうひとつの昭和あるある”が…。
今度はATMの前ではなく、トイレのあとの行動にびっくり!
👉 「大人でも意外と多い“トイレ後ズボン拭き”問題」
「え、これ無意識でやってたかも…」とドキッとする方もいるかもしれません(笑)
いえ、この話は私の父ではないんですけどね…(笑)
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